こんにちは。かなめです。
ここでは、ポケモンカードゲームの過去商品について紹介をしていきます。
これを読めば、その商品の特徴と、代表的なカードについて知ることができます。今回はポケモンカード★neoシリーズの最初の商品についてです。前作のポケットモンスターカードゲームシリーズとは、どんな違いがあるのでしょうか。一緒に確認していきましょう。
もし、前作が気になる人は、こちらから見ることができますよ。

商品情報
今回は拡張パックだけではなく、プレミアムファイルも含めて紹介します。これは、後述の「ポケットモンスター 金・銀」の発売記念として、拡張パックよりも先に発売された商品です。
9ポケットのシートにポケモンが入っているのですが、どれを買っても中身は同じです。このプレミアムファイルでは、「ポケットモンスター 金・銀」で初登場の最初の3匹と、その進化系が入っていました。商品名のとおり金銀発売記念という意味合いが強く、新しいポケモンのお披露目といったところでしょう。
プレミアムファイル
商品名 | 『ポケットモンスター 金・銀』発売記念 プレミアムファイル |
発売日 | 1999年12月10日 |
発売価格 | 600円(税別) |
封入枚数 | 9枚(封入カードは固定) |
カード総数 | 9種類 |
拡張パック
商品名 | 拡張パック第1弾 金、銀、新世界へ... |
発売日 | 2000年2月4日 |
発売価格 | 300円(税別) |
封入枚数 | 1パック10枚入り |
カード総数 | 96種類 |
レアリティ | ●(C) 32種類 |
◆(U) 32種類 | |
★(R) 32種類 |
カードリスト
プレミアムファイル

金、銀、新世界へ...

ポケットモンスター金・銀発売
1999年11月21日にゲームボーイソフト「ポケットモンスター 金・銀」が発売されました。1996年2月27日発売の「ポケットモンスター 赤・緑」から約3年の間、ポケモンというコンテンツは爆発的に成長し、社会現象になりました。ついに新作のタイトルが発売され、ポケモンカードでも新しい時代へ突入します。
ご存知のとおり、ポケモンカードは原作のゲームソフトと一緒に歩んでいます。そのため、新しいソフト、新しいポケモンが出ると、カードでもその影響を受けます。
前作より100匹ものポケモンが新しく登場しますが、既存の151匹も登場します。どのような形でカードになるのか、ポケモンカードファンはとても期待していました。この後に新しいカードを紹介しますが、まずは新シリーズでポケモンカードは何が新しくなったのか、順を追ってみてみましょう。
ポケモンカード★neoとは
「ポケットモンスターカードゲーム」というシリーズタイトルが、「ポケモンカード★neo」という名称に変わりました。「neo」とはギリシア語で「新しい」という意味があり、新たな時代を予感させます。
次にカードのデザインも新しくなりました。まず、プレイヤブルな点としては、カードの右上には「たねポケモン」「1進化ポケモン」などの分類があります。新しいポケモンが増えるわけですから、あると便利ですよね。初心者に対しても嬉しい項目です。
図鑑や身長・体重の項目などのデザインがスタイリッシュに。弱点・抵抗力は、スターターなどにも描かれた三日月のようなデザインになっています。
配置やデザインを変化させつつ、ワザのテキストスペースが若干広くなったようにも思えます。全体的に新しくなっているにも関わらず、前のデザインと並べても違和感がないのが素晴らしい。
新しいポケモンたち
商品のラインナップとしても、「ポケットモンスター 金・銀」で初登場のポケモンが中心で、馴染みのあるものが選出されているようです。
最初の3匹
プレミアムファイルで登場
拡張パックで登場
「ポケットモンスター 金・銀」で最初に旅を共にする3匹。どれも強力な特殊能力をもっているのは、最初のシリーズのフシギバナ、リザードン、カメックスと同じ設計。
プレミアムファイルと、拡張パックでそれぞれ登場し、組み合わせて使うこともできました。
噂のポケモン
「ポケットモンスター 金・銀」の情報が出始めた頃からスクープされていたポケモンたちの全貌が明らかに。それぞれの進化ラインも登場しています。
映画のポケモン
1999年に上映された「劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕」で活躍したポケモンたち。「ポケットモンスター 金・銀」発売の約半年前に映画館で見たポケモンだったので、待望のポケモンと言えるでしょう。
新しいルール
このシリーズに突入してから、新たな要素が3つ追加されました。どれも「ポケモンカード★neo」を象徴するものとなっています。
①ベイビィポケモン
「ポケモンカード★neo」から登場した「ベイビィポケモン」。相手のワザを失敗させることができるルールを持っています。ベイビィポケモンはHP30で統一されていますが、このルールと、トリッキーなワザで重要な役割のポケモンです。
《ピィ》は手札を引き直すワザを持っています。今までは《オーキドはかせ》や《マサキ》といったトレーナーカードで手札を増やすことが常識でしたが、このポケモンによって新たなデッキ構築が生まれました。
《ピチュー》と《ブビィ》は、特殊能力を中心としたデッキに対して絶大な威力を発揮します。「ポケットモンスターカードゲーム」シリーズから遊んでいたプレイヤーにとっては、デッキ構築を見直すタイミングとなりました。また、「ポケモンカード★neo」から始めたプレイヤーにとっては、熟練のプレイヤー達の強力な特殊能力デッキに対しての、対抗手段となったのではないでしょうか。
②悪タイプ・鋼タイプ
実は初期からは登場していなかった悪と鋼のタイプ。初登場時は基本エネルギーが無く、ちょっと特別なポケモンの扱いでした。
悪タイプ
《悪エネルギー》は、ワザの威力を「+10」します。当時のポケモンの平均のダメージは、1個のエネルギーで10ダメージ、2個ならば20ダメージを与えられるような環境だったため、10ダメージ追加できるのは大きな効果でした。
当然、このエネルギーはつけた分だけ威力が上がります。さらに、悪ポケモンはどれも弱点無しだったので、悪の登場は脅威となりました。
鋼タイプ
《鋼エネルギー》は、受けるダメージを「-10」します。悪タイプでも説明したとおり、当時のポケモンの平均ダメージは、エネルギー1個につき10ダメージ与えられるような環境だったため、10ダメージの軽減は大きい効果です。
つけた分だけダメージを軽減するため、4枚つけると「-40」となり、相手がダメージを与えられなくなる状況も作りだすことができました。
③ポケモンのどうぐ
ゲームソフトでもポケモンがどうぐを持てるようになったのは、この時代から。
ポケモンにつけて使うルールは、現在の「ポケモンのどうぐ」と変わりません。しかし、どのカードも効果を発揮したらトラッシュとなります。
《きあいのハチマキ》はコイン次第で「きぜつ」を免れるため、どのデッキにも採用される強力な効果でした。
おまけ:ワザの新たな試み
新ルールというほどではないのですが、珍しい効果を発揮するワザもありました。
くろこげマーカー
ワザ「やきこがす」は「やけど」の前身ともいえる「くろこげマーカー」をのせるワザ。特殊状態の「やけど」は、この時代にはまだありません。
持続する効果
「くものす」と「こおりつかせる」はともにバトル場にいるかぎり持続するワザの効果。neoシリーズ以降このようなワザは、ほとんど見なくなりましたが、面白い効果だったと思います。
新たなデッキバリエーション
新シリーズになったとはいえ、前作のカードも当然使うことができます。そのため、neoだけで組んだデッキだけでなく、今までのカードを組み合わせたデッキも誕生しました。
今までのカードとの組み合わせ
バクフーン+リザードン
「ファイヤーリチャージ」で炎エネルギーをつけて「ほのおのうず」を連射!
メガニウム+ナッシー
「おいしげる」で草エネルギーが2個分になり「たまなげMAX」で投げるコインは2倍に!
オーダイル+カメックス
「あまごい」で水エネルギーを一気につけて「ぎゃくりゅう」で一撃必殺!
neoのカードでの組み合わせ
ドンファン+ベイビィポケモン
「こうそくスピン」でダメージを与えた後、ベイビィポケモンと入れ替えて敵のワザを回避
ニューラ+ベイビィポケモン
場に一斉にたねポケモンやベイビィポケモンを並べて速攻で「ふくろだたき」
ハガネール+おうごんのみ
ダメージ軽減と回復で鉄壁の要塞の完成
ゲームデザイン
「ポケットモンスターカードゲーム」の続編となるこのシリーズでは、新旧カードの共存や、継続プレイヤーと新規プレイヤーの共存を意識したゲームデザインとなっていたと感じられます。
トレーナーカード
前作のトレーナーカードよりも、得られる効果が強力なものが多く登場しました。特に《ウツギはかせ》は、カードを引き直す効果が強力なため、デッキを構築する上では必須の1枚です。
代わりに、これらの強力なカードは「次の相手の番が終わるまでトレーナーカードを使えない」という条件があり、今までのシリーズのカードとのバランスがとられていました。
コインによるバランス調整
この拡張パックのカードを確認するかぎり、コインを使うカードが多い印象です。これは新規プレイヤーが、実力や資産差だけで一方的な試合展開にならないためのバランス調整だったのではないでしょうか。
そこで、実際にどのくらいコインを使うカードがあるかを調べてみました。1996年に発売されたポケモンカードゲームの「拡張パック 第1弾」は、この拡張パックのカード総数と同じ96種類であり、シリーズの最初の商品ということもあるため、この拡張パックとのを比較しました。
結果としては、neoの方がコインを使うカードが多く、何らかの意図があって設計されていたことが明らかです。
コインを使うカード
拡張パック 第1弾 |
34種 |
neo 第1弾 「金、銀、新世界へ…」 |
55種 |
コインを使うカードのカウント方法
- 「コインを〇回投げ~」と書かれたワザ、特殊能力、トレーナーカードから選出
- 1枚のポケモンで2つのワザが両方コインを投げる場合でも、1としてカウント
これに加えて「ポケモンカード★neo」では、ベイビィポケモンのルールでコインを投げるわけですから、このシリーズで遊んだことがある人ならば、コインをたくさん投げることを感じとっていたのではないでしょうか。
まとめ
「ポケモンカード★neo」シリーズでは、カードのデザインが新しくなり、「ポケットモンスター 金・銀」のポケモンたちが登場しました。
新しいポケモンの登場、新ルール追加によって、デッキ構築に変化が起こり、自分の持っていたカードを見直す機会となります。既存のポケモンと組み合わせたコンボデッキ、新たな悪・鋼ポケモンを中心としたデッキなど、デッキバリエーションも増加しました。
強力なトレーナーカードや、ベイビィポケモンなど、デッキ構築の基礎的なカードを揃えることができ、新規プレイヤーも参入しやすいカードラインナップとなっていました。
コインを使うカードが多数収録されており、実力や資産による一方的な試合展開にならないようなゲームデザインも特徴のひとつです。「ポケモンカード★neo」シリーズの指針のひとつとして、競技性よりもカジュアルに遊べるゲームを目指していたのかもしれません。
悪と鋼が特別なポケモン扱いだったのには驚いた人もいるとは思いますが、「ポケットモンスター 金・銀」でも悪と鋼の種類は少なく希少な存在だったのです。
また、コインを使うカードが多いゲーム環境には、賛否両論ありそうですが、当時のターゲット層を考慮したゲームバランスの調整だったとも考えられます。コインを使うカードの多さは、ポケモンカードADVシリーズ(2003年)以降くらいがちょうど良いと個人的には思っています。
今回はここまでです。それでは皆さん、良いポケモンカードライフを。