こんにちは。かなめです。
ここでは、ポケモンカードゲームの過去商品について紹介をしていきます。
これを読めば、その商品の特徴ついて知ることができます。今回は1997年に発売されたポケットモンスターカードゲームシリーズの拡張パック第3弾「化石の秘密」についてです。
第1弾と第2弾の記事もあるので、ぜひ確認してみてください。
商品情報
商品名 | 拡張パック 第3弾 化石の秘密 |
発売日 | 1997年6月21日 |
発売価格 | 291円(税別) |
封入枚数 | 1パック10枚入り |
カード総数 | 48種類 |
レアリティ | ●(C) 17種類 |
◆(U) 16種類 | |
★(R) 15種類 |
カントー地方の冒険終盤
グレンタウンとその周辺
この拡張パックのカードを見ていると、あるテーマに気づくことができます。それは「グレンタウン」です。
「ポケットモンスター 赤・緑」では7つめのジムがある街で、旅の終盤に訪れます。特に公表されてはいませんが、「化石の秘密」はグレンタウンやその周辺が舞台になったと考えられます。
いくつかその根拠となるものを、まとめてみました。
ポケモンけんきゅうじょ
グレンタウンにある施設で、旅の途中で入手した化石を復元させられます。
ふたごじま
グレンタウン近隣の島。この拡張パックの水ポケモンは、ふたごじまに生息するポケモンが多くラインナップされています。最奥部では、伝説のポケモンのフリーザーと出会うことができました。
ポケモンやしき
グレンタウンにある廃墟のような建物。ここに生息しているポケモンたちが、拡張パックにも登場しています。
また、当時この建物に居た人物の日記が残されており、それに関係するカードも登場しています。これについては、後ほど説明しましょう。
ポケモン図鑑完成
拡張パックの第1弾から第3弾までのカードを揃えると、ゲームソフトのポケモン図鑑のように、コンプリートさせることができました。幻のポケモンを合わせて全部で151種となります。
カードゲームとしての“対戦”という遊びだけでなく、トレーディングカードの“集める”という遊びも設計された商品展開になっているのは、昨今の商品には無い要素ではないでしょうか。
しかし、第3弾までに151種のポケモンを全て登場させることに際し、カードゲームとしては不自由な点がありました。それは進化ラインが揃えづらいという点です。
特に「化石の秘密」では、進化ポケモンが当たっても、この商品に進化前のポケモンが含まれていないものもありました。つまり、当たった進化ポケモンを対戦で使うためには、他の商品を買わなければならないのです。
とはいえ、“トレーディング(交換)”を活性化させるという意味では、このようなラインナップもアリではないでしょうか。
化石の秘密とは・・・!?
この商品のタイトルのとおり、化石から復元するポケモンが登場しました。では、化石の秘密とは何なのか。それは《なにかの化石》のことです。
原作のゲームソフトで化石から復元するポケモンは、ポケモンカードでは《なにかの化石》から進化させる必要があります。
《なにかの化石》は、トレーナーカードでありながら、ポケモンとして場に出すことができます。場に出したこのカードは、化石から復元する《オムナイト》、《カブト》、《プテラ》のいずれかに進化させることができるのです。
また、この弾に収録されていた3種類は、全員が特殊能力を持っていて特別なポケモンという印象を受けます。
伝説のポケモン勢ぞろい
「ふたごじま」に生息する《フリーザー》の他に、伝説のポケモン《ファイヤー》と《サンダー》も登場しました。
この3匹は拡張パックの箱やポスターにも描かれていて、もしかしたら、この拡張パックのもうひとつのテーマだったのではないでしょうか。
出典:ポケモンカードトレーナーズVol.4 P65
出典:ポケモンカードオフィシャルブック2000 P175
あの幻のポケモンがついに登場
この拡張パックの発売当時の1997年は、ゲームソフトの通常プレイでは現れないという幻のポケモンの噂で話題が持ち切りでした。皆さんもご存知の幻のポケモン「ミュウ」です。
ゲームイベントでミュウのゲームデータのプレゼントが実施された際には、何万人ものポケモントレーナーたちがイベント会場へ集まるほどの人気でした。
そんな幻のポケモン「ミュウ」は、ポケモンカードでは「化石の秘密」に収録されています。
相手を退化させるという、今までに無い珍しいワザを持って登場しました。
ところで、この拡張パックにミュウの登場が示唆されているのを知っていますか?実はこの拡張パックのテーマを思い出すと答えは出てきます。
通常のゲームプレイではミュウは出現しませんが、ゲーム内ではミュウに関する情報が出てきます。それが先述の「ポケモンやしき」の日記なのです。
「ポケモンやしき」にある日記
7月5日:ここは南アメリカのギアナ。ジャングルの奥地で新種のポケモンを発見
7月10日:新発見のポケモンをわたしはミュウと名付けた
2月6日:ミュウが子供を産む。産まれたばかりのジュニアをミュウツーと呼ぶことに…
9月1日:ポケモン ミュウツーは強すぎる。ダメだ…私の手には負えない!
この拡張パックの舞台がグレンタウンであることから、かつて「ポケモンやしき」にいたと思われるミュウが登場する可能性が予想できました。
また、この日記を書いた人物は、「フジ博士」だと言われています。この博士は「フジろうじん」なのではないか、という噂もあります。
化石や伝説のポケモンというテーマだけでなく、幻のポケモンのエピソードも再現されている秀逸なラインナップではないでしょうか。
ゲームデザイン
3作目の拡張パックでも、今まで登場したような使いやすく強力なたねポケモンは登場しています。
しかし、今までに無いワザや特殊能力をもった個性的なポケモンの登場も印象的でした。
個性的な能力をもつポケモンたち
ベトベトン
カード名 | ベトベトン |
特殊能力 | かがくへんかガス |
効果 | ベトベトンが場にいる限り、場にいるすべてのポケモンの特殊能力は使えず、その力も消える。(ただし、この「かがくへんかガス」という特殊能力は除く)「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この「かがくへんかガス」の力は消える。 |
特殊能力を軸にしたコンボデッキの動きを封じる能力。相手が使うデッキを予想する必要があり、自分も特殊能力を使わない構築をしなければならないため上級者向けのカード。
プテラ
カード名 | プテラ |
特殊能力 | げんしのちから |
効果 | プテラが場にいる限り、全てのポケモンは進化することができない。(すでに進化しているポケモンに影響はない)。「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は消える。 |
あらゆる進化デッキを止めてしまう。《エレブー》、《ブーバー》、《ストライク》、《エビワラー》などの強力なたねポケモンと組み合わせたい。
ファイヤー
カード名 | ファイヤー |
ワザ | やまやき |
効果 | 自分の「炎」エネルギーカードを好きなだけはがしてすてる。その後、はがしたのと同じ枚数のカードを相手の山札の上から取り、相手のトラッシュにすてる。 |
相手の山札をトラッシュさせるユニークなワザをもつ。ポケモンを倒さず山札切れで勝利を狙えるという夢は見れるが、現実はそう甘くはない…。
メタモン
カード名 | メタモン |
特殊能力 | へんしん |
効果 | バトル場にいる限り、このカードは相手の対戦ポケモンと同じカードとしてあつかう。エネルギーカードは、このカードについている限り、どの色のエネルギーとしても使うことができる。「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時やベンチにいる時には、この「へんしん」の力は消える。このカードに進化カードをつけることはできない。 |
相手のワザだけでなく、特殊能力、HPや弱点・抵抗力に至るまでそっくりコピーできる。しかも、《無色2個エネルギー》との相性が良い。ベンチに戻ったときに元のHPにもどってしまうところに注意が必要。
注目すべき進化前のポケモンたち
メノクラゲ
カード名 | メノクラゲ |
特殊能力 | おくびょう |
効果 | 自分の番であれば、いつでもこのカードを手札にもどしてよい。その時、このカードにのっていたダメージカウンターなどを全てとりのぞき、ついていたカードも全てはがしてすてる。このカードを場に出した番には、この力は使えない。また、「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時にも、この力は使えない。 |
このカードだけでは特殊能力を活かすのが難しいが、ダメージを軽減する《ディフェンダー》や、自分のポケモンのダメカンを動かせる《フーディン》などとの組み合わせで真価を発揮する。
オムナイト
カード名 | オムナイト |
特殊能力 | おみとおし |
効果 | オムナイトが場にいる限り、相手プレイヤーは自分の手札が全員に見えるようにしてプレイしなければならない。「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は消える。 |
相手の作戦が常に見えているだけでも強力だが、相手の手札のトレーナーカードを戻させる《ミニスカート》をベストなタイミングで使うこともできる。
ゴースト
カード名 | ゴースト |
特殊能力 | とうめい |
効果 | このカードがワザによるダメージや効果を受ける時、コインを投げ、「おもて」ならこのカードはダメージや効果を受けない。「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は消える。 |
「とうめい」を利用するために、あえて《ゲンガー》を入れないデッキ構築という選択肢もある。にげるためのエネルギーと弱点が無いので、相手からは倒されにくい。
「化石の秘密」のポケモンとの組み合わせ
カメックス+フリーザー+ラプラス
状況に合わせて戦うポケモンを使い分けられ、「あまごい」で強力なワザもすぐに使える。
ミュウ+プテラ
「たいかビーム」と「げんしのちから」で進化ポケモンのデッキを完全に封じる。
フーディン+バリヤード+メノクラゲ
《バリヤード》の受けたダメージを「ダメージスワップ」で移動し「おくびょう」で回復する無敵コンボ。
まとめ
拡張パック「化石の秘密」は、グレンタウンが舞台となっており、その周辺に生息するポケモンが収録されていました。また、《なにかの化石》から進化するポケモンたちは、「ポケモンけんきゅうじょ」で化石から復元できるポケモンを再現しています。
伝説のポケモンや幻のポケモンも登場し、第1弾から第3弾の拡張パックのカードを集めると、カントー地方の全ポケモン151種類揃えることが可能となりました。
このように、原作ゲームの世界を追体験ができる仕組みは、ポケットモンスターカードゲームシリーズの拡張パックの特徴のひとつでもあります。カードを集めたり交換をしたりといった対戦以外にも遊びの要素が散りばめられていました。
対戦においては、個性的なワザや特殊能力をもつポケモンが、今まで強力だったデッキを牽制したり、新たなデッキコンセプトを模索するキッカケになったのではないでしょうか。
原作のゲームソフト「ポケットモンスター 赤・緑」の151種がすべてカードとして登場しましたが、この先もポケモンカードはますます面白い展開になっていきます。
拡張パック第4弾以降は「ロケット団」や「ジムリーダー」のポケモンなど、これまでとは一味違ったポケモンの活躍がありますよ。この話の続きについてはまた別の機会に。
今回はここまでです。それでは皆さん、良いポケモンカードライフを。