こんにちは。かなめです。
ここでは、ポケモンカードゲームの過去商品について紹介をしていきます。
これを読めば、その商品の特徴と、代表的なカードについて知ることができます。今回は2002年に発売されたポケモンカードeシリーズの第4弾拡張パックについてです。
原作のゲームソフトには登場しない、ポケモンカードオリジナルの「謎の大陸」が舞台となっているポケモンカードeシリーズの第4弾ですが、いよいよシリーズ後半となります。
「謎の大陸」の冒険の出発点でもある第2弾や、第3弾の記事を読んでいない人は、先にこちらを読んでいただけると、今回の記事をさらに楽しめると思います。
商品情報
商品名 | 拡張パック第4弾 裂けた大地 |
発売日 | 2002年8月23日 |
発売価格 | 191円(税別) |
封入枚数 | 1パック5枚入り |
カード総数 | 91種類(うちシークレット3種) |
レアリティ | ●(C) 38種類 |
◆(U) 18種類 | |
★(R) 32種類 | |
☆(R) 3種類 |
カードリスト
謎の大陸の後半
ポケモンカードeシリーズ第4弾では、大陸の西側を旅します。この当時に発行されていたポケモンカードの情報誌によると、拡張パックのイラストにある大地の裂け目の他に、さまざまな特徴を確認することができます。
出典:ポケモンカードトレーナーズVol.17 P2,P3
この大陸では「地上絵」や「ミステリーサークル」など、地球上でも確認されている「謎」があります。今回の拡張パックのカードでは、どのような「謎」を発見できるのでしょうか。
「裂けた大地」のイラスト
前項の「ポケモンカードトレーナーズ」の地図によると、この地域には3つの特徴があるそうです。しかし、実際のカードでは、より多くの発見があります。拡張パックを開けると、私たちの冒険が始まるのです。
地上絵
この弾では、空を飛ぶポケモンたちのイラストに「ホウオウ」の地上絵を確認できます。
地球上にも数千年前に描かれたといわれる「ナスカの地上絵」という文化遺産があり、まさにそれを模したかのようなデザインとなっていますね。
wikipedia参照:ナスカの地上絵
ナスカの地上絵は、何の目的で描かれたものかは判明しておらず、「ホウオウ」の地上絵も公式情報では何も語られていません。拡張パックにも描かれている「ホウオウ」は、この地域で崇められるような存在なのでしょうか。すべては私たちの想像に委ねられているのです。
大地の裂け目
前項の地図にあった、大地をつらぬく巨大な裂け目です。ポケモンカードの情報誌「ポケモンカード トレーナーズ」によると、この裂け目の中には洞窟が広がり、奥には地底湖があるとのことです。
地底湖
「大地の裂け目」の内部が描かれたカードです。「ポケモンカード トレーナーズ」の情報を知っていると、この設定の奥深さがよくわかりますね。洞窟の中は鍾乳石が広がり地底湖もあります。
この神秘的な空間には、古代に生息していたといわれる《カブト》や《オムナイト》の姿を確認できますね。原作のゲームでは、復元することで出会えるポケモンですが、この地域では野生に生息しているということでしょうか?
クレーターの中の村
“クレーター”のような地形ができるには、ふたつの説があるといわれています。噴火によってできる説と、隕石の衝突によってできる説。
ここのクレーターには、その説が当てはまるのか...。そして、ここに住むのはどんな人々なのか。この拡張パックでは、ここの住民と断定できる人物を確認できておらず、私たちの想像は膨らむばかりなのです。
ストーンサークル
人によって造られたと思われるストーンサークル。《ライコウ》のカードでも確認できることから、伝説のポケモンの祭祀場(さいしじょう)のようにも感じられます。
壁画
洞窟に描かれた壁画について、「ポケモンカード トレーナーズ」では「人とポケモンが仲良く遊んでいるように見える」と記されていましたが、本当にそうでしょうか。
皆が一斉に同じ方向を向いて駆けているように見えるので、何かから逃げているように感じませんか?
これだけを見ると何を意味しているのかはわかりませんが、もしかすると、この土地で確認されている伝説のポケモンと繋がっているのかもしれませんね。
ゲームデザイン
第4弾では、対戦相手を意識する効果が多数登場しています。特に化石から復元するポケモンたちは、どれも相手の行動を封じる上級者向けの能力です。
また、状況に応じて効果が変化する新たなワザマシンにも注目です。
ポケパワー・ポケボディー
第4弾拡張パック「裂けた大地」に収録
第3弾拡張パック「海からの風」に収録
第2弾拡張パック「地図にない町」に収録
第2弾の《スイクン》や第3弾の《エンテイ》と同じく、ポケボディー「ピュアボディー」を持った《ライコウ》。強力なワザを持ちながらも使いこなすのが難しいポケモンです。
この弾で注目すべきポケパワー・ポケボディーを持つポケモンたち。
ポケモンカードeシリーズでは、いっきにエネルギーを増やすようなカード効果は少なく、エネルギーを無駄にしないことが勝敗を分けました。《フーディン》の「エネスイッチ」は、《エネルギーつけかえ》に似た効果で、自分の場のエネルギーを効率よく使えます。
《メタモン》は、「マルチエナジー」と「まねる」の組み合わせによって、相手のバトルポケモンのワザを簡単にコピーすることができました。「たねポケモン」で手軽にデッキに入れることができるため、eシリーズ以降も活躍を見せることになります。
《ブラッキー》は、とある強力なポケモンを牽制するカードとして活躍しました。第1弾に収録され、公式大会で使われ続けていた《ゲンガー》です。この《ブラッキー》ならば、弱点を突ける悪タイプで、超タイプに抵抗力を持っています。「ダークステアー」でポケパワーも使えなくなれば、手も足も出なくなるのです。
分岐進化
第2弾以降、分岐進化するポケモンは多く収録されています。タイプが異なる分岐進化の増加は、多色デッキの活性化につながります。タイプ相性による戦略は、ポケモンカードの対戦の面白さのひとつといえますね。
第1弾の記事内の「タイプによる戦略性」にあるように、eシリーズは多色デッキを組みやすく、弱点・抵抗力の相性を意識した戦略が広がりました。
《クヌギダマ》から進化可能
《ヒトデマン》から進化可能
《ニョロゾ》から進化可能
《イーブイ》から進化可能
ここで紹介したポケモンたちのワザに注目すると、必要なエネルギーに無色が多いことに気がつくはずです。単色で組むのも良いのですが、分岐する他のタイプの進化ポケモンを入れても楽しそうですね。
ちていのかせき
原作のゲームソフトで化石から復元するポケモンたちは、過去のシリーズでは通常とは異なる条件で場に出すことができました。最初に登場したのは1997年で、《なにかの化石》というトレーナーカードから進化させるという特徴があります。
eシリーズでは《ちていのかせき》という「たねポケモン」から進化させられます。
「たねポケモン」から進化するという仕組みは通常のポケモンと同じです。しかし、このカードの凄いところは、図鑑に載っていないポケモンが「たねポケモン」としてカード化されたことです。
ゲームルールとしては解りやすくなっていると思いますが、図鑑に載っていないものがポケモンとして登場するのは史上初であり、「化石」がポケモンという点にも違和感があります。
カードデザインも通常の無色ポケモンとは異なっていますね。eシリーズの中で、これと同じカードデザインの無色ポケモンは無く、ある意味珍しいカードではないでしょうか。
「化石」から進化するポケモンたち
「化石」の進化先は、珍しい能力を持っているのが特徴のひとつです。
特に、過去のシリーズで登場した《プテラ》は、進化を封じる特殊能力が強力だったため、プレイヤーにとっては印象深いポケモンです。
今回登場したこの3匹も「行動や能力を封じる」という効果を持っています。
現在にいたるまでに、化石から復元するポケモンたちで「行動や能力を封じる」効果を持ったカードを見たことはありませんか?
この特徴が確立されたのは、今回紹介した3匹から始まったのかもしれませんね。
ミステリープレート
カードに書かれたワザを使えるようになるワザマシン。
今までと異なるのは、状況に応じてワザの効果が変わる点です。サイドの枚数によって、さまざまな効果を発揮し、戦況に応じて序盤や後半に使うという新たな戦略が生まれました。
原作のゲームにはない「石版」がモチーフになったワザマシンは、この大陸の世界観にぴったりのデザインです。
ニュートラルポケモン
第3弾から登場した、「クリスタルタイプ」を持つニュートラルポケモンたち。パッケージに描かれた「ホウオウ」は、ニュートラルポケモンとして登場しました。
「クリスタルタイプ」によって変化するタイプはポケモンごとに異なるものの、その特徴は第3弾のニュートラルポケモンと同じです。
今後どのようなポケモンがラインナップされるか楽しみですね。
おまけ:地底探検隊
ポケモンカードeシリーズの舞台となった謎の大陸では、原作ゲームとは異なる生態のポケモンたちを見つけることができましたが、ここで出会える人物も独特でした。
第4弾に収録されている《地底探検隊》は、この弾の舞台となった「裂けた大地」の地下を探検する人物と想像できますが、どこかで見たことはありませんか?
実は2021年までの間に、以下の2シリーズで再録されています。
ポケモンカードゲームDPt(2008年)
ポケモンカードゲーム サン&ムーン(2018年)
シリーズ名 | 商品名 | 発売日 |
ポケモンカードゲームDPt | 拡張パック「時の果ての絆」 | 2008年12月26日 |
ポケモンカードゲーム サン&ムーン | 拡張パック「チャンピオンロード」 | 2018年5月3日 |
では、この2シリーズに「裂けた大地」が関係しているのかというと、そうではないと思われます。
2006年に発売された、ニンテンドーDS用ソフト「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」の舞台であるシンオウ地方には、地下世界が広がっていました。
ここに登場していた人物を《地底探検隊》として、再録をしたのではないかと考えられます。eシリーズのオリジナルキャラクターが再登場するのは珍しいことですが、面白い効果のサポーター(※)が多いため、今後も何らかの形で再録されたら嬉しいですね。※サポーターとは、今でいうサポートと同じカード
特に、この《地底探検隊》は、安定して山札を引ける効果で、eシリーズではとても重宝していたため、再録カードを見た当時のプレイヤーは懐かしく思ったのではないでしょうか。
まとめ
ポケモンカードe第4弾は、謎の大陸の冒険の後半となり、大地の裂け目が特徴的な西側の地域へ進みました。
大地の裂け目の底には、洞窟や地底湖を発見することができます。ここには、化石から復元するポケモンたちを目の当たりにします。
地上では先人が残したと思われるストーンサークルや壁画を確認できます。最も印象的なのは「ホウオウ」に似た地上絵です。これらは何の目的で造られたのか、私たちの想像は膨らみます。
ゲームデザインでは、第2弾から引き続き分岐進化するポケモンが追加されました。これは、eシリーズ全体のテーマのひとつである、弱点・抵抗力の戦略の拡張といえるでしょう。
また、上級者に向けた「行動や能力を封じる」効果を持つ化石ポケモンや、場面によって効果変わるワザマシンなど、今までと一味違う対戦を楽しめる要素も増加しました。
謎の大陸の最終地点の第5弾では、何が待ち受けているのでしょうか。第2弾「地図にない町」や第3弾「海からの風」のカードイラストに描かれていた謎の山はすぐそこです。
それでは皆さん、良いポケモンカードライフを。