こんにちは、かなめです。
ここでは、ポケモンカードゲームの過去商品について紹介していきます。
今回はカード商品ではなく情報誌「ポケモンカード・ファンクラブ」です。1990年代後半に2ヶ月に1度のペースで発行され、全部で5冊発売されました。
ポケモンカードで強くなりたい人だけでなく、はじめたばかりの人でも楽しめる内容になっているとのことです。
今ではポケモンカードの情報といえば、インターネットの公式サイトや個人ブログで収集するのが多いと思いますので、このような情報誌は珍しいのではないでしょうか。
この「ポケモンカード・ファンクラブ」各号のカードに関する特徴的な情報をまとめています。
ポケモンカード・ファンクラブ Vol.1
発行者 | メディアファクトリー |
発行日 | 1997年6月5日 |
発売価格 | 300円(税別) |
おまけ
おまけカードの《コダック》は、1997年6月21日発売の拡張パック「化石の秘密」よりも先に手に入れることができました。
ポケモンカード情報局 Vol.1 (P4~P6)
拡張パック第3弾「化石の秘密」
発売直前だった拡張パック「化石の秘密」の情報を知ることができます。化石から進化するポケモンや伝説のポケモンがピックアップされていました。
ちなみにこのブログでも「化石の秘密」の情報を知ることができますよ。
ポケモンカード公式大会開催決定
幕張メッセで行われる「第6回次世代ワールドホビーフェア」のポケモンカードコーナーについて記載されています。記念すべき第1回公式大会や、対戦コーナー、「化石の秘密」の先行販売の告知がありました。
特集「強くなろう もっと知ろう」(P7~P23)
特殊能力
今のポケモンカードの「特性」に近い特殊能力。自分から宣言して使うものや、自動的にはたらくものなど、詳しい使いかたを知ることができます。
特殊状態
ポケモンカードのルールの中で覚えるのが難しいのが特殊状態。どく、ねむり、マヒ、こんらんのそれぞれの特徴だけでなく、図解されていて初心者もわかりやすい内容となっています。
よくわかるポケモンカードの遊びかた (P29~P35)
はじめてのポケモンカード
ワザの使いかたを2ページに渡って説明しています。ポケモンカードのルールで最も大事なのは「ワザを使う」ことですね。
デッキ作りにチャレンジしよう!
1997年までに発売された商品の中に「構築済みデッキ」はありませんでした。ですから、デッキ作りはプレイヤーが通る最初の難関です。ここではゼロからデッキ作りを学ぶことができます。
一枚のカード (P24~P25)
ピッピ
使いかたが難しいカードを深堀するコーナー。第1回目は《ピッピ》で、相手のワザをコピーできるワザ「ゆびをふる」が詳しく解説されています。
姫まるのちいさなポッケ(P26~P27)
最初だからちょっと字が多くてゴメンネの巻
初期の頃からポケモンカードを描き続けているイラストレーター「姫野かげまる」さんのコラム。イラストや文章がすべて手描きで温かさを感じます。第1回目はアニメ「ポケットモンスター」や、姫野さんが好きなポケモンが語られています。
出典:ポケモンカード・ファンクラブ Vol.1 P26
この情報誌では、表紙や挿絵など姫野さんのイラストがたくさん見ることができます。
私のデッキが一番強い (P28,P42)
様々な著名人が自身で作ったデッキを紹介してくれるコーナー。
安田均さん
1997年に発売されたトレーディングカードゲーム「モンスター・コレクション」の生みの親。他のTCGのクリエイターが作ったデッキが見れる機会は滅多にないのではないだろうか。
森本茂樹さん
もはや説明不要のポケモン界のレジェンド。原作のゲームソフトではゲームデザイン、バトルディレクターを担当していた彼が作るデッキとは?
クリーチャーズ・コーナー (P44)
ポケモンカードのゲームデザイナーの大山功一さんのコラム。今回はデッキ作りのポイントについて触れています。実はポケモンカードのイラストレーターのOOYAMAと同一人物なのです。
ポケモンカード・ファンクラブ Vol.2
発行者 | メディアファクトリー |
発行日 | 1997年9月5日 |
発売価格 | 300円(税別) |
おまけ
今回のおまけは、「マイデッキメモカード」です。ポケモンカードと同じサイズなので、メモをしたらデッキケースの先頭に入れておくと、便利かもしれませんね。
ポケモンカード情報局 Vol.2 (P4~P8)
第1回ポケモンカード公式トーナメントレポート
1997年6月14日、15日に開催された初の公式大会の様子や、優勝者のデッキを知ることができます。ポケモンカードの最初の大会を知れるのは、この本だけかもしれません…。
特集「強くなろう もっと知ろう」(P9~P19)
「化石の秘密」の特殊能力を使いこなそう
新発売された拡張パック「化石の秘密」の特殊能力がすべて紹介されています。使いかたの例がわかりやすく、これらのカードを知らない世代の人が読んでもわかる内容です。
ポケモンのタイプ(色)にくわしくなる
ポケモンカードの戦略のひとつ、タイプ相性について説明されています。弱点・抵抗力を理解し、メインのポケモンをタイプによって補うデッキを目指せます。
1枚のカード
なにかの化石
場に出すと「ポケモン」として扱われる不思議なトレーナーカード《なにかの化石》が深堀されています。
姫まるの小さなポッケ
ふたご島にひとりの巻
姫野さんがプレイする「ポケットモンスター 赤・緑」の進行状況が書かれています。当時は私たちと同じようにポケモンで遊んでいる内容に、とても距離が近く感じていました。そして手持ちポケモンなどの挿絵が超かわいいのです。
ポケモンカード・イラストレーターズ (P24~P25)
ポケモンカードのイラストレーターさんを写真付きで紹介するコーナー。
有田滿弘さん
ポケモンカードが好きな人ならば、誰でも知っている有田さん。1997年の頃の姿や、当時の仕事の機材が見れます。プロフィールには「パソコン通信」や「BBS」など今では聞かない言葉も…。
杵淵敬二さん
ポケモンカード初期の3DCGイラストといえば杵淵さん。イラストのお仕事に関することだけでなく、休日の過ごしかたまで書かれています。
よくわかるポケモンカードの遊びかた (P27~P35)
はじめてのポケモンカード
ポケモンカードを始めたばかりのプレイヤーが間違えやすいルールをイラスト付きで説明しています。当時は今のようなルール紹介動画が無かったのでルールを覚えるのも大変でした。
デッキ作りにチャレンジしよう Vol.2
デッキコンセプトについて書かれています。初心者に対して「強い」だけでなく、「面白い」をコンセプトに勧めている点が好感をもてます。また、ここも写真やイラストが多く初心者に優しいページです。
私のデッキが一番強い(P26,P40)
西田敦子さん
ピカチュウをデザインしたことでも有名なグラフィックデザイナー。期待を裏切らないデッキコンセプトになっています。
水玉螢之丞さん
「週刊ファミ通」などの連載や、キャラクターデザインでも有名なイラストレーター。
クリーチャーズ・コーナー (P44)
ポケモンカードのCMソング「ポケモン言えるかな?」で有名になったイマクニ?が初登場。まだメディア露出が少なかったのか、この当時は真面目な印象を受けるイマクニ?です。
ポケモンカード・ファンクラブ Vol.3
発行者 | メディアファクトリー |
発行日 | 1997年11月18日 |
発売価格 | 300円(税別) |
おまけ
拡張パック「ロケット団」に収録されている《わるいペルシアン》のイラストちがい。
ポケモンカード情報局 Vol.3 (P2~P7)
ロケット団ついに発売
1997年11月21日に発売された拡張パック「ロケット団」のカードが紹介されています。今までにない「わるいポケモン」や「ロケット団の秘密メカ」の特徴や、商品コンセプトを知ることができます。
『ポケモンジム』シリーズ発売!
次期商品として、新たなシリーズの予告がありました。この時点ではジムリーダーの「タケシ」「カスミ」が登場するなど、少ない情報しかありませんでした。
JR東日本ポケモンスタンプラリー体験報告
1997年夏に開催された「ポケモンスタンプラリー」の様子が写真付きで紹介されています。30駅を回ってスタンプを集めると、特製プロモカード《なみのりピカチュウ》と《ミュウ》がもらえました。
特集「強くなろう もっと知ろう」(P9~P21)
ライバルに勝つためのテクニック集
進化をさせるタイミングや、バトル場に出すポケモンの優先順位などのプレイングを紹介。また、トレーナーカードの上手な使いかたを知ることができます。
ポケモンカードプレイヤー必読!カードはこう読もう!
最初に発売された拡張パックから1年が経ち、カードの枚数が増えてきたことで、整合性が判りにくいカードテキストが出てきました。それらのカードを本来の意図と一緒に説明しています。
私のデッキが一番強い(P8,P44)
ポケモンやTCGに関係するゲストばかりではなく、今回は小説家やゲームクリエイターの方々です。対戦のエピソードなども面白い。
松浦理英子さん(小説家)
飯田和敏さん(ゲーム作家)
姫まるのちいさなぽっけ(P22~P23)
みんななかよく?の巻
今回も「ポケットモンスター 赤・緑」の進行状況が語られています。コラムを読んでいると、姫野さんのポケモン愛が伝わってきます。
一枚のカード(P24~P26)
メタモン
拡張パック第3弾「化石の秘密」に収録されていた《メタモン》の紹介。原作のゲームソフト同様、相手に「へんしん」できる能力を深堀しています。
よくわかるポケモンカードの遊びかた(P27~P33)
場や特殊エネルギーなど、基本ルールから一歩進んだ内容や、基本ルールで忘れやすいものまで、図解して丁寧に説明されています。
ポケモンカード・イラストレーターズ(P43)
姫野かげまるさん
初期のアナログで描かれていた頃の仕事風景と画材を知ることができます。エアーブラシを使う技法は当時でも珍しかったと思いますが、それが姫野さんの独特な作風を生み出していたのです。
クリーチャーズ・コーナー(P45)
イマクニ?に乗っ取られてしまい、このページにはイマクニ?のイラストで埋め尽くされています。若干まだキャラクターが定まっていない感じがする内容です。
ポケモンカード・ファンクラブ Vol.4
発行者 | メディアファクトリー |
発行日 | 1998年2月28日 |
発売価格 | 300円(税別) |
おまけ
ファンクラブオリジナルデザインのデッキケース。この頃発売されていたスターターパックと同じサイズで、キャリングケースなどにも入れやすいサイズです。
ポケモンカード情報局 Vol.4 (P2~P10)
『ポケモンジム』シリーズ登場!!
ポケモンカードゲーム初の構築済みデッキの続報。ジムリーダーの「タケシ」「カスミ」たちのポケモンの紹介や、商品の内容に触れており、この時点では全8種類が発売される予定となっています。
『ポケモンカード拡張シート』発売!
ジャンボカードダスマシンから出てくるシートに3枚のカードと、紙製のダメージカウンターやマーカーが付いてくる。第1弾のテーマも判明しています。
とりかえっこプリーズキャンペーン
ポケモンカードのCMソング「とりかえっこプリーズ」のCD発売と、この歌をイメージした「とりかえっこプリーズキャンペーン」の詳細が紹介されています。
このキャンペーンでは4種類のプロモカードがありました。
TOYOTAオートキャンペーン体験報告
全国のトヨタオート店で実施されたキャンペーン。店舗に足を運ぶと限定カードが貰えるというもの。《ピカチュウ》と《ウインディ》のプロモカードがもらえました。
第2回公式トーナメントREPORT
日本全国の6か所で開催された大会の様子と、入賞者のデッキレシピなどがまとめられています。大会のレギュレーションなどは、下記の記事でも確認できます。
特集「強くなろう もっと知ろう」(P11~P23)
『ロケット団』カードの使いかた
上級者向けと謳ったこの商品に収録された「わるいポケモン」を中心に、新たに収録された特殊エネルギーなどを徹底分析。
ポケモンカードプレイヤー必読 カードはこう読もう!
カードの説明文の中で太字で書かれている「自分」と「相手」の意味や、「はがしてすてる」など、解釈が難しいワザに焦点を当てて解説しています。
新ルールをくわしく解説!
1998年1月に開催された公式大会「ニビカップ」より改正されたルールについて深堀り。複雑だった特殊状態に関するルールが変更されています。
姫まるのちいさなぽっけ(P24~P25)
今年もよろしくポケモンキッズの巻
2021年の現在でも発売されている「ポケモンキッズ」について語られています。姫野さんが考えたお正月などの季節のポケモングッズも必見です。
一枚のカード(P26~P27)
プラスパワー、ディフェンダー
ついにコーナーのタイトルを無視した2枚のカードの紹介。どちらもポケモンに使うカードで、それぞれの効果的な使いかたを知ることができます。
こんな遊びかたも楽しいぞ(P28)
5デッキ戦
対戦をより楽しめるような対戦形式を提案するコーナー。各プレイヤーが5個のデッキを持ち寄って遊ぶ「5デッキ戦」の紹介となっています。
よくわかるポケモンカードの遊びかた(P29~P33)
初心者のための「ワザ」説明コーナー
ワザに書かれた説明文のうち、ダメージに関するものを中心に解説されています。ワザの説明文には、効果に関するものもあり、難しい要素のひとつですね。
私のデッキが一番強い(P34)
八谷和彦さん(メディアアーティスト)
2021年の現代では、芸能人や棋界の方々がプレイしていることは有名ですが、ポケモンカード黎明期にも様々な人がプレイしていたことがわかります。
ポケモンカード・イラストレーターズ(P39)
田中未樹さん
1997年発売の拡張パック「化石の秘密」から参加している田中さん。この頃のイラストは水彩絵の具で仕上げられていたのだとか。
クリーチャーズ・コーナー(P44)
ポケモンカードのゲームデザイナー大山功一さんによるコラム。日本一決定戦や新商品の開発で多忙な状況が窺えます。1998年の当時といえば、世間ではポケモンブームの渦中だった頃ですね。
ポケモンカード・ファンクラブ Vol.5
発行者 | メディアファクトリー |
発行日 | 1998年6月10日 |
発売価格 | 300円(税別) |
おまけ
ガルーラルール専用のカード。1つのデッキに必要な分の4枚が付いてきました。
ポケモンカード情報局 Vol.5 (P2~P10)
イラストアーティストコンテスト最優秀賞の3人に賞品を届けに行ってきたぞ!
コロコロコミック誌上で開催されたイラストコンテストの入賞者を発表。3名の入賞者には賞品として特製のプロモカードと、自身が描いたイラストのカードが贈られました。
イラストアーティストコンテスト最優秀賞のカード
第2回公式トーナメントREPORT後半戦
1998年2月以降に開催された3大会の様子と、日本一決定戦「リザードンメガバトル」の結果が紹介されています。親子で遊べる「ガルーラルール」の大会の様子も載っています。
特集「強くなろう もっと知ろう」(P11~P25)
新シリーズ『ポケモンジム』を大研究!
ポケモンカード初の構築済みデッキ「ポケモンジム」の遊びかたを紹介。初心者から上級者まで、プレイレベルに合わせた遊びかたや、各カードの解説もあります。
ただいま好評発売中!『拡張シート第1弾(青版)』の使いかた
新商品「拡張シート」の魅力を紹介。販売されている場所や、商品テーマ、特徴的なカードの使いかたもわかります。イラストコンテスト受賞者のカードも、この商品で手に入ります。
持続する効果について
ポケモンのワザの中で、持続する効果について解説されています。特殊状態も持続効果のひとつですが、それとの違いや、具体的な効果の例が紹介されています。
姫まるのちいさなぽっけ(P26~P27)
1日1歩3日で万歩の巻
1998年に発売されたポケットピカチュウのお話です。ポケットピカチュウとは、携帯ゲーム機と歩数計が合体した玩具ですが、ポケモンGOの前身のようなものといえそうですね。
一枚のカード(P28~29)
わるいゴーリキー、わるいカイリキー
前回に引き続き、タイトルを無視した2枚のカードの紹介です。シンプルで攻撃力が高いワザが多い闘ポケモンとは一線を画す2枚。それぞれの魅力を知ることができます。
親子で遊ぼうポケモンカード(P30~P31)
日本一決定戦「リザードンメガバトル」のサイドイベントで採用されたガルーラルール。専用カード「タッチ交代」を入れたデッキで対戦します。(この号のおまけカードです)
私のデッキが一番強い(P35)
ミルキィ・イソベさん
ポケットモンスターカードゲームシリーズのカードデザインからパッケージなどのアートディレクションを担当。デッキは自分のポケモンを中心に、強いデッキにも対抗できるようなコンセプトになっています。
ポケモンカード・イラストレーターズ(P38~P39)
青木俊直さん
《なみのりピカチュウ》《そらをとぶピカチュウ》はアミーガというコンピュータで描いたものだという。シンプルな線や色遣づかいで、一度見たら忘れないインパクトがありますね。
木月すみよしさん
1997年に発売された拡張パック「ロケット団」から参加。独特なタッチの秘密は、スポンジにインクをつけて描く技法にありました。ロケット団の秘密メカのデザインについてのお話も面白い。
こんな遊びかたも楽しいぞ(P40)
よくでるカードデッキ戦
他のTCGの対戦形式にもあるレアリティ限定戦の紹介。この頃のポケモンカードは、強いカードが必ずしも高レアリティとは限らないので、実際にこの対戦形式は楽しく遊べます。
クリーチャーズ・コーナー(P44)
ポケモンカードの商品ができる前の試作カードが公開されています。約25年のポケモンカードの歴史上で、カード開発の裏側が語られているのは珍しく、大変貴重な内容です。
おわりに
ポケモンカード・ファンクラブはVol.5まで発行されました。この後には、ポケモンカードトレーナーズという名前に変わって登場します。
ファンクラブとのちがいは、会員になることで毎号買わなくても家に届く点です。また、会員になると貰えるプロモカードなどがありました。これについては、またの機会にお話ししたいと思います。
今回はここまでです。
それでは皆さん、良いポケモンカードライフを。