こんにちは。かなめです。
ここでは、ポケモンカードゲームの過去商品について紹介をしていきます。
今回は2002年に発売されたポケモンカードeシリーズの第5弾拡張パックについてです。このシリーズは、原作ゲームにないオリジナルの「謎の大陸」が舞台になっていますが、その冒険もついに最終章を迎えます。
出典:ポケモンカードトレーナーズVol.17 P2,P3
「謎の大陸」の冒険の出発点でもある第2弾や、これまでの冒険を知らない人は、先にこちらを読むことをオススメします!
商品情報
商品名 | 拡張パック第5弾 神秘なる山 |
発売日 | 2002年10月4日 |
発売価格 | 191円(税別) |
封入枚数 | 1パック5枚入り |
カード総数 | 91種類(うちシークレット3種) |
レアリティ | ●(C) 38種類 |
◆(U) 18種類 | |
★(R) 32種類 | |
☆(R) 3種類 |
カードリスト
謎の大陸の最深部
ポケモンカードeシリーズ第2弾から目の当たりにした「謎の大陸」ですが、この冒険を支えていたのが「ポケモンカードトレーナーズ」です。
当時発行されていたポケモンカード公式マガジンであり、ポケモンカードファンにとっての愛読書でした。特にポケモンカードeシリーズは、これを読むことで「謎の大陸」の冒険がさらに楽しくなったのです。(ポケモンカードeの情報が掲載されているのはVol.13~19までです)
第5弾の舞台は拡張パックのタイトルやパッケージを見るかぎり、3つの大きな山です。そして「ポケモンカードトレーナーズ」に掲載されている情報によると、ここでのキーワードは、「古代神殿」「火山の噴火口が陥没してできたカルデラ湖」「滝」とのことです。
大陸の冒険の最終地点では何が待ち構えているのでしょうか。
「神秘なる山」のイラスト
実はこの弾のイラストに関する情報は、前項で紹介した「ポケモンカードトレーナーズ」にはほとんどありませんでした。
ですから、先ほどの3つのキーワードである「古代神殿」「火山の噴火口が陥没してできたカルデラ湖」「滝」をもとに、実際のイラストを見て「神秘なる山」の舞台に迫ってみましょう。
カルデラ湖
これらのイラストに描かれてるのがカルデラ湖だと思われます。ごく普通の湖のように見えますが、「ポケモンカードトレーナーズ」の情報を知っていると、見えかたも変わってきませんか?
ちなみにカルデラ湖は、地球上にも存在しており、火山活動の影響によってできるそうです。
wikipedia参照:カルデラ
火山が関係していると思われる場所は、第4弾の「クレーターの中の村」もありました。パッケージにも描かれている3つの山は、火山であったということが想像できますね。
間欠泉
間欠泉もまた、火山地域にみられる特徴のひとつです。
それにしても、ポケモンが温泉に入っている姿は珍しいですね。特にこのeシリーズ発売当時は、原作のゲームソフトといえば、「ポケットモンスター 金・銀」が最新作でしたから、ゲーム内に温泉は無く、ポケモンの意外な一面だったとも言えます。
ちなみに、原作ゲームで初めて温泉が登場したのは、「ポケットモンスター ルビー・サファイア」のフエンタウンです。
滝
「カルデラ湖」や「間欠泉」に共通する“火山”というキーワードは、この滝にもあると考えられます。なぜなら滝は、溶岩が川をせき止めることで形成されることもあるからです。だからといって断定できることではありませんが、この地域一帯を見て想像したり謎を解いたりできるのは面白いことですね。
また、このシーンのイラストで最も印象的なのが《コイキング》です。出世を意味する「鯉の滝のぼり」は、このポケモン特徴と重なっていて、とても面白いイラストですね。
ワザも「しんかのよかん」を持っていて、滝をのぼりきったコイキングがギャラドスへと出世(進化)することとが想像できます。縁起が良いので、手元においていきたい1枚ではないでしょうか。
謎の球体
ポケモンカードeの舞台となった大陸には多くの謎に出遭うことができます。そのひとつがこの球体です。
結論として、これがいったい何なのかは解明されていません。ポケモンとともに描かれていたり、スタジアムや、ワザマシンにも描かれています。
しかし、私たちの世界にも、これに似た「コスタリカの石球(せっきゅう)」というオーパーツがあることがわかりました。
wikipedia参照:コスタリカの石球
オーパーツとは、「場違いな工芸品」とも言われ、発見された場所や時代にそぐわない出土品や加工品を指します。結局のところ、これも謎の物体ということなので、何の手がかりにもりませんでした。
このような謎は、拡張パック第4弾「裂けた大地」にもあり、何の目的で描かれたかわからない地上絵を目にすることができます。
皆さんは、この大陸で見つけた“謎”をどのように解釈しましたでしょうか?
古代神殿
伝説のポケモンであるファイヤー、フリーザー、サンダーの3匹の石像が祀られた神殿です。ここで紹介しているイラストや、この弾の他のイラストを確認するかぎり、神殿は山頂付近にあるのではないかと思われます。
大陸の地図を見ると、この神殿は3つの大きな山を臨めるもっとも近い場所であることがわかりますね。このことから、3つに分かれた山は3匹の伝説のポケモンと関係があり、神殿はそれを祀るために造られたものではないでしょうか。
ゲームデザイン
ポケモンカードeシリーズを締めくくる第5弾では、「進化」がテーマのひとつです。ポケモンといえば「進化」といっても過言ではなく、カードゲームでもまた、対戦に大きな影響を及ぼすルールです。
その他にも、シリーズではおなじみとなった能力を持つポケモンたちも登場しています。
ポケパワー
進化したときに使える効果が多く収録されています。コイン判定はありますが、トラッシュからエネルギーをつけたり、相手のエネルギーをトラッシュするなど強力な効果となっています。
だたし、その多くがバトル場での進化が条件となっていて難易度が高めです。コンセプトが面白いだけに、使いづらくて活躍の機会も少なかったのが残念でした。
「バトル場で進化」という条件は、2006年に登場した「ポケモンLV.X」に通ずるものがある気がします。もしかしたら、その布石だったのかもしれませんね。
ポケモンLV.Xについては、こちらをご覧ください!
ポケボディー
ここで初登場した《ファイヤー》と《フリーザー》は、どちらも自身のタイプのエネルギーを手札からつけられないという、デメリットの効果を持っていました。
第5弾拡張パック「神秘なる山」に収録
第5弾拡張パック「神秘なる山」に収録
第2弾拡張パック「地図にない町」に収録
第2弾で登場した《サンダー》も共通の能力であり、使いづらいぶん、強力なワザを持っています。ちなみに、第4弾までに登場した《エンテイ》《スイクン》《ライコウ》の3匹も、共通する「ピュアボディー」というポケボディーを持っていました。
「ピュアボディー」を持つ3匹については下記の記事で確認できますよ!
ミラクルスフィア
こちらも第4弾から引き続き、この大陸オリジナルのワザマシンの登場です。前回は石版でしたが、今回はこの舞台で確認されている謎の球体のチカラによってワザを覚えられるようです。これらは進化ポケモンにつけて使えます。
ワザには2つの効果があり、ついている基本エネルギーによって発揮するものが異なります。指定のエネルギーがすべてついていれば、どちらの効果も同時に発揮させることもできます。(エネルギーをつけるのが大変ですが...)
また、このワザマシンで得られるワザ名にも注目してみてください。それぞれ伝説のポケモンの名前が書かれていますね。もしかしたら、何か関係があるのかもしれません。
特殊エネルギー
無色タイプとしてはたらくエネルギーで、それぞれに戦略的な要素があります。《レトロエネルギー》は、自分のポケモンを退化させる効果があり、この弾の進化ポケモンとのコンボを意識した効果になっています。
しかし、この弾の進化ポケモンで活用させようとしても、実際はかなり使いづらさが目立つものでした。退化したポケモンは、その番に進化できませんし、前項で紹介した《ギャラドス》などは、ポケパワーを使うためにバトル場で進化させなければならないのです。
ニュートラルポケモン
このポケモンの特徴は、ポケボディー「クリスタルタイプ」を持ち、無色タイプであること。ポケボディーによって自分のタイプが変化します。
過去にはジョウト地方に伝わる伝説ポケモンや2進化ポケモンが登場していました。この大陸特有の個体であり、どことなく「Pokémon LEGENDS アルセウス」のキング・クイーンに似た印象を受けるのは私だけでしょうか。
おまけ:伝説の鳥ポケモンと神秘なる山
「神秘なる山」の情報が掲載されていた「ポケモンカード トレーナーズ Vol.18」の表紙はファイヤー、フリーザー、サンダーの3匹が描かれていました。
これらのプロモカードも付属していたのですが、拡張パックには収録されなかった《サンダー》もあることから、舞台となった地域は、やはりこの伝説のポケモンと深い関係にあったと想像ができますね。
まとめ
ポケモンカードeシリーズの冒険はここで完結します。1年間の展開でしたが、このシリーズのイラストが今でも高い評価を受けている秘密は、その舞台設定やストーリー性にあったのではないでしょうか。
原作ゲームでは見ることができないポケモンたちの生態や、想像が膨らむ世界観がとても印象的でした。ポケモンカード公式マガジン「ポケモンカード トレーナーズ」の情報によって、世界観を更に楽しむことができるのも新しい試みです。
独特な世界なのに、そこに登場するポケモンたちに違和感がないことにも注目したいところです。例えば今回の第5弾でいうと、火山地域には《マグマッグ》、神殿には《ゲンガー》、謎の球体の近くには《ネイティ》など、ポケモンの特徴に合ったシーンが描かれています。
カードイラストを楽しむための壮大な設計は、他のシリーズにはない大きな特徴です。このような対戦以外の遊び要素まで丁寧に作りこまれているのが、ポケモンカードeシリーズです。
対戦に関するゲームデザインは、ゲームバランスと遊びやすさを重視した設計になっていたと感じます。前身のneoシリーズからのルール改定やサポーターの導入、ポケモンのステータスは均等化されました。カードのウラ面の変更とともに、ポケモンの能力やルールが再調整された印象を受けます。
今までのような派手なコンボは少ないものの、ポケモンの弱点・抵抗力による戦略性が活性化しました。それを示すかのように、ポケモンのワザに必要なエネルギーは、無色が多用されていて、多色デッキが作りやすくなっていることに気づいたことでしょう。
しかし、ルール変更や環境整備だけでなく、挑戦的なポケパワー・ポケボディーを持つポケモン登場や、ワザマシンといった新たな要素で、このシリーズ独特の楽しさが形成されていました。
ポケモンカード史上で独特な世界観と、ルールの変革期であったポケモンカードeシリーズはいかがだったでしょうか。
1年という短い期間で終わりを迎えましたが、様々な試みが詰まったこのシリーズは、ポケモンカードにとって重要なシリーズであったのは間違いがないことです。
今回はここまでです。
それでは皆さん、良いポケモンカードライフを。