こんにちは。かなめです。
ここでは、ポケモンカードゲームの過去商品について紹介をしていきます。
これを読めば、その商品の特徴ついて知ることができます。今回は1997年に発売されたポケットモンスターカードゲームシリーズの拡張パック第4弾「ロケット団」についてです。
第1弾から第3弾までの記事もあるので、ぜひ確認してみてください。
商品情報
商品名 | 拡張パック 第4弾 ロケット団 |
発売日 | 1997年11月21日 |
発売価格 | 291円(税別) |
封入枚数 | 1パック10枚入り |
カード総数 | 65種類 |
レアリティ | ●(C) 32種類 |
◆(U) 16種類 | |
★(R) 16種類 | |
☆(R) 1種類 |
「ロケット団」は上級者向けの拡張パック
この商品は初めて「上級者向け」として発売された商品でした。それはパックの裏面で確認することができます。これ以前に発売された商品では、当時発売されていた最新シリーズの「ポケモン赤・緑」の151匹が全て登場したため、ポケモンカードゲームとして、新たな展開が始まったといえます。
パッケージを見るかぎりでは、悪の組織「ロケット団」の人物が大きく描かれ、暗い色遣いがオトナな印象を与えます。中央に描かれているポケモンたちは、このロケット団に関係があるのか、想像が膨らみますね。
では何が「上級者向け」なのかというと、「わるいポケモン」と「トレーナーカード」がカギとなっています。これらについては、次の項目でそれぞれ深堀をしていきますよ!
わるいポケモンとは
名前に「わるい」とついたポケモンです。それはHPが低い代わりに、強力なワザを持つという特徴があります。
また、「わるいポケモン」として登場するのは進化ポケモンのみで、今までのポケモンと合わせると、進化のバリエーションが広がったことになります。これによって、通常の進化ポケモンと「わるいポケモン」の混合デッキを作ったり、「わるいポケモン」だけで統一するなど、デッキ構築の際に選択肢も増加します。
つまり、今までとは違うステータスを持つポケモンの登場と、ポケモンを分岐進化させられることが、「上級者向け」であることを意味しています。
上級者向けのトレーナーカード
「ロケット団」のトレーナーカードは、クセがあるものが多く登場しています。そして、ある共通点があることに気づくことができます。例えば、これらのカードの共通点は何だと思いますか?
答えは「相手を意識すること」です。デッキを作るときには、どんなコンボを盛り込んで、どんな作戦を実現したいか考えると思います。また、対戦するときには、作戦がいかに早く理想どおりに実行できるかが大切です。
ポケモンカードを始めたばかりの頃は、自分の場のことを考えることで精いっぱいではありませんでしたか?自分のデッキを完璧に扱えるようになったら、次に対戦相手の動きを意識し始ていたと思います。
今回登場したトレーナーカードは、自分のコンボや作戦を成功させるものばかりではありません。相手を意識することが「上級者向け」である、とトレーナーカードで提示されていたのです。
「ロケット団」のアートコンセプト
今までとは異なるコンセプト商品の「ロケット団」は、イラストなどからもその違いを感じとれます。
わるいポケモンのイラストは、全体的に影が落ちていたり、険しい表情のポケモンのイラストが多くみられます。
さらに、カードの枠にも注目してみましょう。通常ならば金色ですが、「わるいポケモン」たちは黒っぽい色になっていて、通常のポケモンと異なることが一目でわかります。
また、ポケモン図鑑のテキストも、オリジナルの「わるい」設定が記されていて、私たちの想像力をふくらませる演出となっています。
「ロケット団」のゲームデザイン
今までのポケモンとの比較
先述のとおり、HPが低く攻撃力が高いという特徴が「わるいポケモン」です。では実際に同じポケモンと、どのような違いがあるのか確認してみましょう。
リザードン
HPは大幅な激減をしているが、少ないエネルギーで攻撃できる。
カメックス
こちらもHPは激減しているが、与えるダメージは、わるいポケモンの方が上。相手の攻撃を受けなくなるワザも持ち合わせたアタッカー。
マタドガス
「みんなでばくはつ」は条件が厳しいものの、2個のエネルギーで大ダメージを狙える。
ベトベトン
相手を逃がさない「ねんちゃくえき」と、「ヘドロパンチ」で相手を確実に追い込む。通常の《ベトベトン》はベンチに控えさせておきたいのに対して、《わるいベトベトン》は前のめりに攻めたいステータス。
「わるい」を象徴した能力
「わるい」という言葉を目にしたとき、どのような能力を連想しますか?与えるダメージが高いだけが「わるいポケモン」ではありません。
わるいラフレシア
カード名 | わるいラフレシア |
特殊能力 | アレルギーかふん |
効果 | このカードが場にいる限り、誰もトレーナーカードを使うことができない。「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は消える。 |
おたがいのプレイヤーは、すべての「トレーナーカード」が使えなくなります。山札を引くドロー系のトレーナーカードも含まれるため、試合には大きな変化を及ぼします。後に制限カードになるような凶悪な能力です。
わるいダグトリオ
カード名 | わるいダグトリオ |
特殊能力 | おとしあな |
効果 | 相手がにげる時、相手プレイヤーにコインを投げさせ、「うら」ならそのポケモンに(「弱点・抵抗力」に関係なく)20ダメージ。(にげられなくする効果はない)。このカードが「ねむり・マヒ・こんらん」状態の時、この力は使えない。 |
ベンチに逃げた相手に追い打ちする能力。ダグトリオが悪さをするとしたら、確かに「おとしあな」を仕掛けそう。民家の床を突き破るイラストが衝撃的。
わるいスリーパー
カード名 | わるいスリーパー |
ワザ | ベンチをあやつる |
効果 | 相手プレイヤーに、相手の控えポケモンの数だけコインを投げさせ、「うら」が出た数×20のダメージ(このワザのダメージは相手の「弱点・抵抗力」の影響を受けない) |
相手のベンチポケモンを操ってバトルポケモンに攻撃させる、というイメージのワザ。強いか弱いかはおいといて、催眠術を得意とするスリーパーが、相手を操っている姿が想像できる。
わるいカイリキー
カード名 | わるいカイリキー |
ワザ | つまみだす |
効果 | 相手の対戦ポケモンとそれについているすべてのカードを山札にもどさせ、その山札をよく切る。(相手に控えがいない時、このワザは使えない) |
どんなにHPが高いポケモンでも問答無用で山札に戻してしまう。ちなみに、「きぜつ」させるわけではないのでサイドはとれません。
使いかたに工夫が必要なトレーナーカード
先述のとおり、トレーナーカードはクセがある効果が目立ちます。相手を妨害するカード以外にも、ポケモンに直接危害を加える効果は「ロケット団」ならではといえます。
たたきつけろ!挑戦状
カード名 | たたきつけろ!挑戦状 |
効果 |
あなたの挑戦を受けるかどうか、相手プレイヤーにたずねる。相手が挑戦を受けないなら、あなたは山札からカードを2枚引く。 相手が挑戦を受けるのなら、お互いのプレイヤーは、それぞれの山札から好きなだけポケモンカード(進化カード以外)を選び出し、ベンチに出す。(お互いが出し終わるまで、ポケモンはうらにしておく)。その後、それぞれの山札をよく切る。 |
ポケモンカードの効果の中では珍しい、相手への交渉力がカギになるカード。ベンチポケモンを一気に展開できるものの、相手も同じように展開できる可能性があります。状況に応じた使いかた、そして相手が挑戦を受けたくなるような、トークスキルも必要かもしれません。
まきちらせ!ベトベトガス
カード名 | まきちらせ!ベトベトガス |
効果 | 次の相手の番が終わるまで、おたがいの場のすべてのポケモンは特殊能力を使うことができず、その力も消える。 |
デッキに採用する時点から考えなければならないカードです。なぜなら、対戦相手が「特殊能力」を使うデッキかによって、使用できるかも変わってきます。
にせオーキドの逆襲/ロケット団のおねーさん
カード名 | にせオーキドの逆襲 |
効果 |
手札からカードを1枚選んでトラッシュしなければ、このカードは使えない。 相手の手札をすべて山札にもどさせ、山札をよく切ってから、新たに4枚を引かせて手札にさせる。 |
カード名 | ロケット団のおねーさん |
効果 | 相手の手札を見る。その中にトレーナーカードがあれば、1枚を選び、それを相手の山札にもどさせる。その後、その山札をよく切る。 |
どちらも相手の手札に干渉するカードです。使われたら嫌だなぁと相手が思っている時に使えるのがベストなタイミングです。
そのため、手札に切り札を持っていることを予想する必要があります。もっと言えば、相手のデッキタイプを見て、今手札に何を持っているか、具体的なカード名をわかるのが理想です。
ねむれ!ねむれ!/バトル場は穴だらけ!
カード名 | ねむれ!ねむれ! |
効果 | コインを投げて「おもて」なら、相手の対戦ポケモンを「ねむり」状態にする。 |
カード名 | バトル場は穴だらけ! |
効果 | お互いのプレイヤーは交互にコインを投げ、先に「うら」を出したプレイヤーの対戦ポケモンに(「弱点・抵抗力」に関係なく)10ダメージ。(最初にコインを投げるのは、このカードを使ったプレイヤー) |
これらは相手のポケモンに直接危害を加えるカードです。とりあえず使ってみる、でもいいかもしれませんが、理想の結果にならなかった場合も考えて使うのがベストです。
トレーナーカードで相手のポケモンを特殊状態にしたり、ダメカンをのせる効果は「ロケット団」で初めて登場しました。
コンボ
カメックス+わるいカメックス
攻撃力が高い《わるいカメックス》に、「あまごい」で一気に水エネルギーをつけて戦う。
コダック+わるいラフレシア
対戦の序盤から終盤まで相手に一切トレーナーカードを使わせないコンボ。
プクリン+たたきつけろ!挑戦状
相手が挑戦を受ければ「ともだちのわ」を一気に最高打点にできる。
おまけ:シークレットカードの存在
最後に、この「ロケット団」で初のシークレットカードを紹介します。それは拡張パックのパッケージにも描かれていた《ロケット団参上!》です。
通常のレアカードのレアリティは★(黒星)に対して、これは☆(白星)になっています。ポケモンカードで初めてのシークレットは、アニメでもお馴染みの2人(と1匹)のカードでした。
まとめ
拡張パック第4弾は、悪の組織にスポットが当てられた「ロケット団」が中心の商品です。
通常のポケモンから分岐進化する「わるいポケモン」と、相手に効果を及ぼすトレーナーカードが多数収録されていました。
HPが低く攻撃力が高い「わるいポケモン」の特徴と、相手に干渉する効果のトレーナーカードは、使いかたに工夫が必要なため、「上級者向け」商品して発売しました。
悪の手に染まったポケモンたちは、イラストからもその姿を感じることができ、カード枠のデザインも特別な仕様になっています。通常は図鑑テキストが書かれている部分にも、カードオリジナルのストーリーが記されているのも特徴です。
「わるいポケモン」の登場によって、進化バリエーションが増加し、デッキ構築の幅も広がりました。また、カードオリジナルに拡張された「ロケット団」の世界観が、ポケモンカードファンたちの想像を掻き立てたことでしょう。
今回はここまでです。
それではみなさん、良いポケモンカードライフを。