こんにちは。かなめです。
ここでは、ポケモンカードゲームの過去商品について紹介をしていきます。
これを読めば、その商品の特徴と、代表的なカードについて知ることができます。今回はポケモンカード★neoシリーズの第2弾の商品についてです。第1弾の記事を読んていない人は、ぜひこちらも確認してみてください。
商品情報
プレミアムファイル2
商品名 | ポケモンカード★neo プレミアムファイル2 |
発売日 | 2000年8月5日(2000年7月8日劇場先行発売) |
発売価格 | 600円(税別) |
封入枚数 | 9枚(封入カードは固定) |
カード総数 | 9種類 |
拡張パック
商品名 | 拡張パック 第2弾「遺跡をこえて...」 |
発売日 | 2000年7月7日 |
発売価格 | 300円(税別) |
封入枚数 | 1パック10枚入り |
カード総数 | 57種類 |
レアリティ | ●(C) 18種類 |
◆(U) 19種類 | |
★(R) 19種類 | |
☆(R)1 種類 |
カードリスト
原作を再現したコンセプト
アルフの遺跡を冒険
ゲームボーイソフト「ポケットモンスター 金・銀」の世界が舞台となったneoシリーズの第2弾では、原作のゲームソフトで冒険の途中に訪れた「アルフの遺跡」がテーマになっています。
アルフの遺跡は、およそ1500年前につくられたそうです。研究が10年も続いているそうですが、誰が何のためにつくったのかわからない、とのことです。遺跡の地下には、アンノーンが存在しています。
引用:あざやかに復活した『ポケットモンスター 金・銀』! 数々の名場面や今だからこそ語れる話が満載! 時を経ても新鮮な「面白さ」の本質に迫る![Vol.1]
公式の情報によると、謎に包まれた遺跡であることがわかり、謎のポケモン「アンノーン」に出会うこともわかりますね。
アルファベットのような形をしたアンノーンは、ポケットモンスター 金・銀では26種類の姿が確認されました。この拡張パックでも、姿が異なるアンノーンが6種類登場しています。
アルフの遺跡周辺に生息するポケモンたち
アルフの遺跡の中では「アンノーン」しか出現しませんが、遺跡の周りの草むらや水辺には、他のポケモンが生息しています。
特に草むらに出現するポケモンは、ここでしか出会えないので、拡張パックのテーマ「アルフの遺跡」にぴったりなラインナップですね。
草むらに生息するポケモン
水辺に生息するポケモン
アルフの遺跡の石版
遺跡を探索していると、いくつかの石版を発見することができました。
人生で初めて解いたパズルは #アルフのいせき のナゾのせきばんです🕵️♂️#不思議なポケモンの思い出 #ポケモン金銀 pic.twitter.com/10qkN6YlKG
— ポケモン情報局【公式】 (@poke_times) April 17, 2020
ポケモンカードでは、この石版がトレーナーカードとして登場しています。しかも、イラストが2種類あります。
長年の疑問なのですが、このイラストに映っている影はいったい何なんでしょうか。ずっと「ミニリュウ」と思っているのですが、知っている人がいたら、情報をお待ちしてます!
ゲームデザイン
neoシリーズの第2弾となる「遺跡をこえて...」では、大きなルール追加は無いものの、今までのゲームを更に盛り上げる試みが見られました。
分岐進化
エーフィとブラッキー
neoシリーズの前作にあたるポケットモンスターカードゲームシリーズで登場した《ブースター》《シャワーズ》《サンダース》との組み合わせで5色デッキも作成可能となった。
ニョロボンとニョロトノ
ポケットモンスター 金・銀でニョロトノが登場し、ニョロゾの進化が分岐できるようになった。《ニョロボン》が闘タイプで登場したのは、この拡張パックが初。
バルキー
ベイビィポケモンは、「たねポケモン」を重ねて進化させることもできる。《バルキー》の場合、進化先の「たねポケモン」が3種類。
この拡張パックでは《カポエラー》だけが収録されており、今後の展開が期待された。
化石の新たな可能性
《オムナイト》や《カブト》などの化石から復元するポケモンは、ポケモンカードでは《なにかの化石》から進化させる必要がありました。
カード名称 | なにかの化石 |
カード分類 | トレーナーカード |
HP | 10 |
効果 | このカードはポケモンとして場に出すことができ、場に出ている限りポケモンとしてあつかわれる。このカードには、「なにかの化石から進化」と書かれている進化カードを重ねることができる。進化カードがのっていないときに限り、「きぜつ」しても「きぜつ」とカウントされず、自分の番の好きなときに自分のトラッシュにすてることができる。 |
しかし、neoシリーズからは、《なにかの化石》を使わずに、場に《オムナイト》や《カブト》を出すことができるようになります。
たまごの化石
カード名称 | たまごの化石 |
カード分類 | トレーナーカード |
効果 |
コインを投げて「おもて」なら、あなたの山札、またはあなたの手札から、「なにかの化石」を進化させる「進化カード」を1枚選び出し、ベンチに出す。山札を見た場合は、その山札をよく切る。 このカードによって場に出した「進化カード」は、「たねポケモン」としてあつかわれる。 (あなたのベンチに空きがないとき、このカードは使えない。) |
コイン次第ではありますが、すぐに場に出すことができます。《なにかの化石》は、これを場に出したあと、《オムナイト》や《カブト》に進化させるためには、次の番まで待たなければなりません。
しかし、この《たまごの化石》ならば、いつでも化石のポケモンを出すことができるのです。また、《オムナイト》と《カブト》は、それぞれ強力な特殊能力で、場に1匹出たら、どんどん仲間が増えていきます。
このトレーナーカードの登場によって、化石のポケモンたちは活躍の場を広げます。実際に《カブトプス》デッキがneoシリーズの時期に開催された公式大会で優勝したという実績もあります。
アンノーンの特殊能力
アルファベットのような姿をしたアンノーンは、謎に包まれています。原作のゲームでも、カードゲームでも持っているワザは「めざめるパワー」のみ。
しかし、カードゲームでは、すべてのアンノーンが特殊能力を持っています。その中には、特定のアンノーンが場に揃ったときだけ使える特殊能力もあるのです。
アンノーン[F]
カード名称 | アンノーン[F] |
特殊能力 | FIND[ファインド] |
この力は、自分のベンチに、このカードとアンノーン「I」「N」「D」がいるとき、自分の番ごとに1回使える。 自分の山札から「トレーナーカード」を1枚選び出し、相手プレイヤーに見せてから、手札に加える。 その後、その山札をよく切る。 |
アンノーン[U]
カード名称 | アンノーン[U] |
特殊能力 | UNDO[アンドゥ] |
この力は、自分のベンチに、このカードとアンノーン「N」「D」「O」がいるとき、自分の番ごとに1回使える。自分のバトル場のポケモンと、そのポケモンについているすべてのカードを、自分の手札にもどす。 |
自分のベンチで「FIND(見つける)」や「UNDO(もとにもどす)」などの単語を完成させることで、それに応じた能力が使えるようになるということです。
アンノーンの姿を活かしたユニークな特殊能力だといえます。また、これらのポケモンでベンチの大半を埋めなければならないため、効果もちょっと強力な気がします。
しかし、アンノーンを使う際には1つ注意点があります。カードの右上に、このようなルールが書かれています。
これは、姿や名前が異なる《アンノーン[F]》と《アンノーン[I]》も、デッキには合計4枚までしか入れられないということです。
たとえば、自分の番の中で、特殊能力「FIND」を複数回使うために《アンノーン[F]》だけをたくさん入れるということはできません。また、アンノーンが場に揃ったとしても、1匹でも「きぜつ」させられたら、復旧するのがとても大変です。
そう考えると、もう少し強い効果の特殊能力でも良かったのではないか、と思うのは私だけでしょうか。とはいえ、ポケモンカード史上で類を見ない特殊能力は、一度は体験して欲しい効果です。
映画公開記念プレミアムファイル
9枚のカードが手に入る「プレミアムファイル2」は、この年に公開された映画「結晶塔の帝王 エンテイ」の記念商品として、拡張パック「遺跡をこえて...」と同時期に発売されました。
映画で活躍したポケモンたち
まず目を引くのは、映画で活躍した《リザードン》《エンテイ》《ピチュー》の3枚。カード枠がキラ加工された珍しい仕様で特別感があります。
ちなみに、《ピチュー》は「結晶塔の帝王 エンテイ」と同時上映された「ピチューとピカチュウ」で活躍したポケモンです。
3種類のアンノーン
拡張パックには入っていないアンノーンを3種類手に入れることができます。
アンノーンを全部揃えるためには、この商品を買う必要があり、前述の《アンノーン[F]》や《アンノーン[U]》の特殊能力を使うためも必要になります。
この3種類を並べてみると「NEO」という文字が完成しますね。
金銀で初登場したイーブイの進化系
背景に遺跡が描かれた《イーブイ》と、その進化系が収録されています。これらは映画では登場していませんが、拡張パック「遺跡をこえて...」との連動を感じられます。
この3枚は「プレミアムファイル2」のパッケージのウラ面に描かれた、1枚のイラストからできているのです。
「遺跡をこえて...」の珍しいカード
この拡張パックには、通常のレアカードよりも封入率が低いカードが2枚存在します。
シークレットカード!?のわるいライチュウ
この拡張パックには、通常のレアカードよりも封入率が低く、レアリティマークが白星(☆)の《わるいライチュウ》というカードが収録されていました。※通常レアは黒星(★)
「わるいポケモン」といえば、1997年に発売された拡張パック「ロケット団」のがテーマのひとつです。
《わるいライチュウ》は、今回の「アルフの遺跡」にミスマッチなポケモンですが、なぜ収録されていたかは、公式情報で確認することはできませんでした。
これは2000年4月に海外で発売された「Team Rocket」の拡張パックが関係しているのだと思われます。
出典:ポケモンカード トレーナーズVol.6 P57
出典:ポケモンカード トレーナーズVol.7 P11
海外版の「Team Rocket」は、日本でいう「ロケット団」のパックで、《わるいライチュウ》がシークレットカードとして登場していました。
「Team Rocket」は、この「遺跡をこえて…」と同時期に発売されたものだったので、日本と海外で同じシークレットを出すという演出だったのかもしれません。
また、neoシリーズを追っていくと解ることですが、ここで「わるいポケモン」が登場させたのは、今後のシリーズに対しての布石だったのではないかと思えます。これについては、別の機会にお話ししていきます。
封入率が低いコイル
《わるいライチュウ》は、この拡張パックの中でも違和感がある存在であり、レアリティマークも通常とは異なるため、珍しいカードということは認知されていました。
しかし、《コイル》も珍しいカードだったのを知っていますか?
これはインターネットが普及していない時代の都市伝説でしかありませんが、製造上のミスで、この《コイル》の封入率が《わるいライチュウ》と同じになっていると聞いたことがあります。
実際、当時のカードショップでは、《わるいライチュウ》と同等の値段がつけられていたことを確認しています。真相はわかりませんが、持っている人は大切にした方がいいかもしれませんね。
おまけ:遺跡デザインのプライズ
「遺跡をこえて...」が発売された2000年頃の公式イベントでは、「遺跡」をモチーフにしたプライズを手に入れることができました。
遺跡の壁画を想起させるようなデザインのストレージボックスに、プレミアムファイル2のパッケージと同じデザインのバンダナなど。商品との親和性があるデザインがとても魅力的ですね。
まとめ
「遺跡をこえて...」は、ポケットモンスター 金・銀の「アルフの遺跡」がテーマになった拡張パックです。
この遺跡に生息するアンノーンや、遺跡周辺に生息するポケモンたちが登場しています。
分岐進化するポケモン登場や、化石から進化するポケモンの新たな展開などが、今までの戦略を見直すきっかけになります。初登場のアンノーンは、ユニークな特殊能力を持ち、今後追加されるアンノーンたちにも期待が膨らみました。
映画公開記念のプレミアムファイルや、海外版に合わせて登場したシークレットカードなど、ゲームデザイン以外でも盛り上がる要素がたくさんあり、カードゲームプレイヤーだけでなく、ポケモンファンならば誰でも楽しめる内容といえるのではないでしょうか。
原作のゲームソフトの追体験というコンセプトが強く感じられる商品であり、それもまた、すべてのポケモンファンが楽しめる要因なのだと考えられます。
今回はここまでです。それでは皆さん、良いポケモンカードライフを。